[代表戦]引き分けの試合で喜んだ武藤は意識が低いのか?

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先日行われた日本代表 vs ベネズエラ代表戦。
日本の得点者は武藤と柴崎でしたが、この2人のインタビューがちょっとした話題になっていたようです。

概要から言えば「自身の得点を喜ぶ武藤に比べて勝てなかったことを悔しそうに語る柴崎の方が意識が高い。この意識が今後につながる」というもの。

本当にそうでしょうか?ちょっと考えてみました。

2014-09-07 18.13.19

2人の立場の違い

共に92年生まれ、同い年の2人ですがキャリアはまったく違います。
「柴崎は日本代表に入ることが最低ラインと考え、その先を見据えている。武藤は今回結果を出したことで満足している」と言われていました。

その言葉、半分当たりで半分はずれな気がします。

柴崎に関してはその通りなのでしょう。彼はすでにプロ4年目。年代別の代表に呼ばれたこともあります。ある程度のキャリアを持っている選手なのです。
そんな彼が、日本代表に入ることを最低限と考え日本代表での活躍を目標とするのは現実的なことです。

ところが、武藤に関してはどうでしょうか。
彼はルーキーです。さらに、今まで年代別の代表に入ったこともありません。今回、正真正銘の代表初選出なのです。
今回結果を出したので次への期待がつながりましたが、そうでなければ次に呼ばれるかどうかも定かでない選手です。
そんな選手が、日本代表として呼ばれ続けることを前提としたコメントを出したらどうでしょうか。それを人は「天狗になっている」と言うのではないでしょうか。

ただでさえ注目を浴びている武藤です。自身の得点に対して喜びを表現することは素直な感情であると同時に無難なコメントでもあったと思います。

では、それが「今回で満足している」ということなのかというとそれは違うと思うのです。

武藤は危機感を持っていないのか

では、それをもって「武藤は危機感を持っていない」と言えるのでしょうか。

試合後の武藤のコメントを引用してみます。

――今回、代表で初めて2試合プレーをして掴んだ部分、手応えは?

「通用するところだったり、まだ足りない部分っていうのが明確になったので、そこの部分をもっと技術的にもレベルアップしていきたいなと思っています」

――6万4000人を超える観客の中でプレーする気分は?

「最高でしたけれど、今日は勝つことが出来なかったので、次もし出場する機会があったら日本を勝利に導きたいと思います」

――改めて、今後に向けての意気込みをお願いします。

「一喜一憂することなくこれからもしっかりと泥臭いプレーで頑張っていきたいと思っています」

代表初招集、初ゴールの武藤「最高の気分。次は日本を勝利に導く」 – サッカーキング

これを見るだけでも、武藤が向上心を持って立ち向かっていこうと考えていることがわかりますよね。

「次もし出場する機会があったら日本を勝利に導きたい」
これ、とっても繊細な表現だと思います。代表に呼ばれ、試合に出場できることが当然だとは考えていないという危機感と、でもチャンスくれたらやってやるぜという主張が同居しています。

さらに、代表に選ばれたことで変な風に浮き足立っているわけでもない。
ルーキーの代表選手としては100点満点とも言えるコメントではないかと思います。

武藤の性格的な問題

ここからは完全な推測になりますが、武藤は悔しさを表に出すタイプではないのかなとも思っています。

今では代表として活躍するまでになった武藤ですが、シーズン頭にはシュートが打てなかったりシュートが枠に飛ばなかったりして試合に出られなかったこともあったのです。

スタメンをはずされた試合の後、武藤は悔しさを晴らすようなプレーを見せお立ち台に立ちます。
彼の口から「悔しい」と言う言葉を聞いたのはそのときが初めてだったと記憶しています。「スタメンを外されて悔しかったので今日はやってやろうと思っていました」というコメント。満面のよっちスマイルで。

悔しさを内に秘めながら、それでも前向きに努力していく。それが彼のやり方なのではないでしょうか。

最後に

意識が低くて日本代表に入れる選手なんているはずがないのです。今の日本代表はそんなにレベルが低い集団ではありません。

武藤と柴崎のコメントの差は、それぞれが求められる姿を考えてコメントした結果なのだと思います。

武藤にしても柴崎にしても、代表でのキャリアはまだまだこれから。スタートしたばかりで共に1得点。
これから、代表への定着を狙い活躍していく時期です。
今の日本代表において武藤と柴崎のどちらが上かなんてことは言えないのです。

それぞれのやり方で、高みを目指して切磋琢磨してもらえればいいのではないかと思います。

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