致死率50%!「2度目の脳震盪」は超危険!脳震盪の疑いがあれば即座にプレーを中止すべき

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先日のモンテディオ山形戦で頭を打ったように見えたプレーの後にしばらく動かないまま治療を受けていた、FC東京の高橋秀人。
ドクターの診断では顔面打撲とのことでしたが、素人目には脳震盪で動けなくなっているように見えました。

試合後に嘔吐しているような様子も見られたことから、Twitterでは「ピッチに戻るべきではなかったのではないか」という意見も多数見られました。

脳震盪後はなぜ動いてはいけないと言われるのか。
調べれば調べるほどにわかってきたその危険性についてまとめてみます。

脳震盪とは何か

そもそも脳震盪とは何なのでしょうか。
脳震盪とは、脳が激しく揺さぶられることによって起こる脳障害のこと。

めまい、ふらつき、記憶喪失、嘔吐などの症状があります。

脳震盪について解説したサイトではこのように書かれています。

軽度の脳震盪であれば、そのまま安静にしていればほとんど危険がないといわれています。
とはいうものの24時間は様子を見ましょう。
手足の震えがひどい、頭痛がひどい、吐き気がひどいなどの異変が起きたら病院へ!主に脳震盪になってから6時間以内に症状がでるらしいです。特に吐き気を催すのが危険な状態です

今回の秀人の例では

今回の秀人の例で言えば、見るからにわかったのはふらつき。
立ち上がった直後は、スタッフさんに支えられなければ歩けないほどでした。

はっきりはわかりませんでしたが、試合後には嘔吐の症状もあったようでした。

試合に戻ってしまったので安静とはかけ離れた状態でしたし、特に危険だと言われる嘔吐の症状も出ている。
この解説を読むだけでも、かなりの恐怖を感じます。

余談ですが、以前には権田がプレー中にポストに頭を打ち倒れたこともありました。
試合後のコメントでは「頭を打って以降の記憶がない」と話していたのでこれは記憶喪失の症状にあたるのでしょうね。

致死率50%!セカンド・インパクト・シンドロームとは

脳震盪の本当に怖い症状は「セカンド・インパクト・シンドローム」と言われるもの。
これを引き起こすとなんと致死率は50%とのこと。本当に恐ろしいのです。

羽生結弦選手が練習中に他の選手と衝突して脳震盪と思われる症状を引き起こした事故では、専門家が以下のように警告していました。

脳震盪が疑われる症状については日本ラグビー協会のガイドライン(1)や米国CDCのページ(2)によく書かれていますが、脳震盪は必ずしも「意識を失うか否か」で判断できるものではありません。もし意識があっても、こちらにかかれているような諸症状(意識障害、頭痛、ふらつき)が見られた場合にはただちに競技を中止させなくてはいけません。1度目の症状が残るうちに2度目の脳震盪、つまり「セカンドインパクト・シンドローム」を起こすと、死亡率が50%にも跳ね上がるためです。

羽生結弦は本番でまた頭を打ったら致死率50%だった!? スポーツ界全体で脳震盪と競技禁止の厳しいルール作りを!  | 賢者の知恵 | 現代ビジネス [講談社]

つまり、2度目の脳震盪がとにかく危険ということ。
死亡率50%とは恐ろしすぎる数字です。
さらに、別の解説サイトではこのようなことも書かれていました。

最初の脳震盪後にちょっと休んで、「もう復活したから大丈夫。滑り行こうぜ!」とか言って調子にのり、再び頭を打ってしまうと、ほとんどの場合が2回目の脳震盪を起こす。

脳震盪を起こしたことがあると2回目の脳震盪を起こすリスクは3倍から5.8倍にもなるからだ。

しかも2回目の脳震盪は最初の症状だけにはとどまらず、重大な脳浮腫、血管損傷を引き起こす可能性がグンとあがる。

その発生率ははっきりしないが文献上17例の「死亡」の報告がされていて、全体の50%もの高い死亡率、100%の疾病の発症率である。

頭打つ⇒ここはどこ?状態に⇒ただの脳震盪だろ⇒死亡 スノーボードで起こる「脳震盪」の間違った認識と危険性 – ヘビースノーカー

1回脳震盪を起こしていると2回目の脳震盪を引き起こす確率が高くなる上、報告されている限りでは100%疾病を発症するとのこと。
2度目の脳震盪がいかに恐ろしいかを示していますね。

ラグビーのルールの例

脳震盪に対して、進んだ対策をしているのがラグビー。
その対策については、こちらのサイトで詳しく解説されています。

ラグビーにおける脳震盪の取り扱い | 院長ブログ | そめや内科クリニック

要約すれば
試合中または練習中に脳震盪の疑いを発見した場合にはいくつかのテストを行う。
「脳震盪の疑い」の所見または症状が認められた場合には即退場。
微妙な場合にはバランステストを行い、基準値以下ならこれまた即退場。

さらに、脳震盪の疑いがあった選手は3週間試合に出ることができない。
とのことです。

非常に厳しい基準ですが、選手のことを考えればこれくらいの基準で運用していくべきなのでしょうね。
直接生命にかかわることですから、万が一がないように運用されているのだと考えられます。

最後に

本来は、すべてのスポーツがラグビーと同じくらいの基準で脳震盪に対応していくべきなのでしょう。

プレー中に無理して後遺症が残る姿なんて見たくはありませんし、万が一のことがあれば事故とはいえぶつかった方の選手だって後味が悪いことこの上ない。

こういったルールが変わるのは何か事故が起きてからというのが常ですが、これに関しては何かが起きてからでは遅いと思うのです。

選手の意思に任せていたら、ピッチに戻ってしまうことがほとんどだというのは理解できます。
だからこそ、基準として外部から固めてしまうしかないのでしょうね。

今回サッカー関係の専門サイトでもありましたが、「倒れながらもプロ根性を見せた」などという賞賛などは脳震盪に関してはもってのほか。
正しい対応ができるように変わっていってくれるとよいですね。

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